あったかブログ

2014/12/14 更新

公共交通 粟生線シンポジウムに100人参加

行き過ぎた「規制緩和」が招いた危機

 

神戸電鉄粟生線の問題をみんなで考えようと、「公共交通 粟生線シンポジウム」が12月14日、神戸市北区・谷上駅前の谷上SHビルで行われ、約100人の市民が参加しました。

このシンポジウムでは、猫のたま駅長で有名になった和歌山電鉄貴志川線の再生をてがけた岡山の小嶋光信両備グループ代表兼CEOが基調講演、松本修治さん(神戸電鉄企画部長)、ゆいみのりさん(粟生線の未来を考える市民の会・世話人)、佐藤フミ子さん(みんなで乗って残そう神戸電鉄粟生線北区連絡会)がパネリストになり、行われました。

小嶋光信さんは、社員を大切に、首を切らないなどの経営理念を語るとともに、公共交通を民間に任せているのは日本だけ、公共交通まで行き過ぎた「規制緩和」を行ったことで地方鉄道の危機を招いたことなどを批判。日本の地方鉄道の抱える問題点を詳しく解明して話しました。

さらに、危機に陥った公共交通の再生を引き受けた実例を紹介。三重県の津エアポートラインの再生で、「公設民営」を導入したことも報告しました。

また、小嶋氏が、国に制定を求めてきてつくられた、交通政策基本法や地域公共交通活性化・再生の法律などについて、制定の経過や、これからの問題なども、わかりやすく、ていねいに話しました。

小嶋氏の実践に裏付けられた話に、参加者からたびたび拍手が起こりました。また、他のパネリストの発言にも、ディスカッションで質問、意見がたくさん寄せられ、応答が行われました。

最後に、小嶋氏が「このシンポジウムが出発点」と呼びかけ、参加者は大きくうなずいていました。 (松本勝雄)

 

(2015年1月11日付「兵庫民報」から転載)